この記事では、組織設計事務所の年収についてまとめています。

組織設計事務所に就職・転職を考えているけど、どれくらい収入があるんだろう…
と、給与面で不安を持つ方も少なくないはず。
いくら仕事のやりがいが大事とはいえ、生活が安定しない収入では、元も子もありません。

そこで、ここでは企業別の年収を解説しつつ、最後に年収の上げ方についても触れていきます。
少しでも良い企業が見つかるよう、ぜひお役立てください!
組織設計事務所の年収ランキングトップ5
組織設計事務所と言っても、色々ありますよね。
実際に勤務している方が組織設計事務所に係る全般や年収についてまとめているサイトも存在します。
しかし本記事では「平均年収」「初任給」「残業」など、普通ならバラバラに比較するしかない指標を「同時に」比較することで、「給与の良さ」にクローズアップしていきたいと思います。
特に大手10社の組織設計事務所の初任給を調べ、そのトップ5を紹介していきます。
【比較の方法】
そのまま年収や初任給の比較ができればよいのですが、企業によっては公開していない、もしくは特定の時期でないと公開していなかったりするため、集められる情報に限界があります。
それに、平均年収には手当や残業代も含まれているため、そのまま比較するだけで「年収の良し悪し」を決めることはできませんよね。
そこで今回は「給与指数」も用いて比較しようと思います。給与指数とは本記事のみで通じる指数で、私が簡単に考えたものです(なのでツッコミ所満載ですが参考にはなると思います)。
【給与指数の求め方】
給与指数は以下の図の通りに求めます。
350万円は日本人の収入中央値、40時間は日本全国の平均残業時間、20万円or23万円は学部卒もしくは修士卒の平均初任給を表しています。
その企業の平均年収・初任給が多いほど給与指数は大きくなり、残業時間が全国平均より多いほど小さくなります。
最後に2で割っているのは、残業時間が全国平均と同じ場合、
は0になるからです。
つまり、年収、残業時間、初任給が全国平均と同じ場合、給与指数は1になります。
また、平均年収、初任給は同じでも残業時間が多い場合、給与指数は1を下回ります。
企業のホームページなどで初任給が公開されていない場合、初任給は全国平均と同等とします。
手当込みのみ公開されている場合はその額をそのまま使用します。
NTTファシリティーズ(東京勤務)
給与指数;学部卒→1.556、修士卒→1.541、平均→1.548
学部卒初任給;212,870円
修士卒初任給;237,860円
平均年収;600万円
残業時間;30時間/月
佐藤総合計画
給与指数;学部卒→1.472、修士卒→1.421、平均→1.446
学部卒初任給;331,600円(手当など含む)
修士卒初任給;358,000円(手当など含む)
平均年収;600万円
残業時間;70時間/月
三菱地所設計
給与指数;学部卒→1.433、修士卒→1.420、平均→1.427
学部卒初任給;240,000円
修士卒初任給;270,000円
平均年収;700万円
残業時間;60時間/月
日建設計
給与指数;学部卒→1.406、修士卒→1.390、平均→1.398
学部卒初任給;248,200円
修士卒初任給;278,200円
平均年収;700万円
残業時間;70時間/月
日本設計
給与指数;学部卒→1.333、修士卒→1.333、平均→1.333
学部卒初任給;???円
修士卒初任給;???円
平均年収;700万円
残業時間;60時間/月
組織設計事務所 売上ランキング
給与指数の1位は、残業時間が少ないと報告されているNTTファシリティーズとなりました。
また、手当込みの初任給しか公開していない企業は、給与指数が高く出ています。
当然、給与はその企業の業績にも大きく左右されます。
一般的に言われている組織設計事務所のランキングを以下に示します。
この資料も年収の参考としてください。
部署や役所で年収は変わるから参考程度にしよう
「平均年収ランキング」はよく見かけますが、「平均」ってとても参考になる値である一方で、霧に包まれている値でもありますよね。
若くて末端の従業員~企業の中枢にいる幹部まで、全てをひっくるめた値なのですから。
幅も広いし、もしかしたら上層部は良い給料をもらっているけど、末端の従業員はただの激務薄給、ということもあるかもしれません。
もしそうでも、その実情は「平均値」には反映されないため、「末端の従業員がもらう給与」と「残業」を同時に考えて比較した本記事が参考になれば、と思います。
ちなみに、初任給が高い=給料が上がりにくい、という可能性も忘れてはいけません。
また、大手企業であることに加え、給与が高いという条件は「従業員同士の競争が激しい」という可能性も高いでしょう。
給与というのは、部署・役職・その人の能力、景気の影響を受けたその企業の業績などでも変化しますので、あくまでも参考までに留めておく必要があります。
では、組織設計事務所への就職で、他に何を重要視するべきなのでしょうか?
就活は年収も大事だが何がやりたいかが重要
いくら給与が発生しているとは言え、それだけでは仕事は続けられないですよね。
仕事を続け、生活をしていくためには「自分がやりたいと思える仕事」「やりがいのある仕事」も大切です。
…という、至極当然な精神論の様な理由だけで「就活は年収も大事だが何がやりたいかが重要」と言っているわけではありません。
給料をもらうとか、仕事を続けるなどと言う話以前に、「就職するために」重要だと考えます。
なぜなら、組織設計事務所にはそれぞれ、「得意とする建築用途」が存在するからです。
オフィスビルが得意、インフラ関係が得意、教育施設や病院建築が得意、など、企業によって様々です。
例えばあなたが学校建築に興味があり、大学の研究室やコンペ、その他の機会に設計してきた建物の用途が「学校建築」だったとしましょう。
するとポートフォリオは必然的に学校建築が充実したものになりますね。そのようなポートフォリオで「オフィスビル」を得意とする組織設計事務所へ就活したらどうなるでしょう?
人事の方に「うーん、うちとはちょっと、合わなさそうな子だな…」という印象を与えてしまうでしょう。
組織設計事務所は大手になれば当然、競争も激しいため、他の学生に差をつけられてしまうような機会は避けたいですよね。
そのためにも、自分が「何をやりたいか」「何の設計をしたいか」を考え就活をすることが重要なのです。
ちなみに、その企業が何を得意とするかは、過去の事例などを参考にすれば分かるでしょう。
年収を上げたいならプロに相談するのも手
これは転職する方へのアドバイスとなりますが、やはりその道のプロに相談することが大切だと思います。
どうやら、「給与の交渉の方法」なども指導して頂けるようです。
正しい方法で交渉しないと、心象が著しく悪くなりかねないので、ぜひとも利用したいものです。
ちなみに転職繋がりの話ですが、大手の組織設計事務所は社内での競争が激しいこともあり、キャリア採用などで入社する方も少なくない印象があります。
ゼネコンなどで現場の経験・知識を蓄え、大手の組織設計事務所に転職し、そこでの設計・管理業務に今までの経験を活かしている人もいらっしゃるということです。
いかがでしたでしょうか。
年収を比較する記事は珍しくありませんが、それには残業時間などは考慮されていないため、「はたしてこれ”だけ”で給与の良し悪しを本当に比較できているのだろうか?」と疑問に思っており、今回はこのような比較方法をしてみました。
しかし、やはり大手組織設計事務所。
給与の高い企業が多いですね。
ライフプランの一部に、組織設計事務所への就職・転職の目標を含むのも悪くなさそうです。