この記事では、意匠系に進む建築学生に向けて、参考にしておきたいポートフォリオを紹介しています。
今後、自分をアピールするのに最重要となってくるポートフォリオ。
- どんなレイアウトがいいんだろ
- 色味は何がいいのかな
- どんな文章がいいのか
- 他の人はどんな作品作ってるの
と、今までの学生生活史上、一番頭を悩ませますよね…?
しかも、就活の結果に大きく影響することを考えると、ますます不安になるでしょう。
そこで、活用していきたいのが、良いポートフォリオを参考にすること。
良いポートフォリオを見ることで、共通点が分かり、自分の作品に取り込むことができます。

また、ポートフォリオ制作の引き出しも増えるので、最大限あなたの味を表現することも可能になります。
ここでは、参考になるポートフォリオはもちろん、良いポートフォリオと悪いポートフォリオについても触れているので、ぜひ参考にしてください!
建築学生向けおすすめポートフォリオ5選
ポートフォリオは自分が制作した、最低3作品程度から多くて20作品以上を一冊にまとめたものです。
制作した時期、テイスト、物量、表現方法が異なる作品を見やすいようにまとめる作業は、作品数が多量になるほどシンプルに行うべきです。
要素を付け加えないことで作品の印象が伝わりやすく、図面の着彩やパースの色味が際立ち分かりやすいポートフォリオとなります。
参考になる優秀なポートフォリオの例をみて行きましょう。
A4縦使いで多量の作品をまとめる
作品数が少ないと寂しい印象になってしまいますが、多量に作品があることで個性が現れていますね。
またA4縦使いのレイアウトも秀逸です。
重要な図面は見開きで使い、表現と文字のバランスも丁度良い印象です。
フォーマットを作って見やすさ重視
A4縦使いのレイアウトに固定のフォーマットを作り、作品ごとに表紙がある構成です。
重要な情報であるタイトル、メインパース、コンセプトがどの作品でも同一の場所にあるので見やすいですね。

最初に作ったフォーマットに沿うようにパースや図面を配置することで安定感を得られています。
余白を与えず情報を見やすく配置することで、制作者は真面目な人であるという印象を抱きます。
大きいサイズで作りたい人必見!B4サイズの見やすさ
A4サイズが主流な中で大きいサイズで作りたい方にはB4サイズをお勧めします。
A3サイズだと大きすぎて1ページを埋めるのが大変だったり、持ち運びに困る場合があります。
その点B4サイズは一回り小さく丁度良いと感じる人もいるのではないでしょうか。
図面を詳細に大きく載せられ、パースを見開きで使い迫力を持たせられる。
1作品ごとのページ数が減り図面を見返す手間が省けますね。
注意すべき点が2点あります。
- 提出用にポートフォリオを作成する場合提出サイズが定められていることがある
- 製本方法にB4サイズ以降がない場合がある
印刷業者や印刷環境を事前に確認してから大きいサイズにも挑戦してみましょう!
A3横使いレイアウトの活かし方
A3横使いのレイアウトには大きく3つのメリットがあります。
- 人の目が横方向の情報に強い
- 情報をレイアウトする際の収まりが良い
- 図面を大きく載せられること
人間の視野は横に広いため横レイアウトは情報を一度に認識しやすいです。
ポートフォリオに載せるパースや模型写真は横構図で作成することが多くはありませんか?
それらを無理なく収めることができ、A3横見開きで迫力ある1ページを演出できます。
普段プレゼンボードで大きく表現できている情報を手に取れるサイズまで落とすと、細部まで詳細に表現することが難しくなります。

重要な図面は大きく載せて理解しやすいようにしましょう。
余白で見やすくまとめる
用紙の縁につくる余白を「マージン」と呼びます。
マージンが狭いと圧迫感を与えてしまいます。
マージンを広く取ることで整頓されたように見え、情報の区別もつきやすくなります。
余白が単調だと変化が無くつまらない紙面になりますが、ページごとに重要な情報は見開きで使うことで対比的に情報を目立たせることができます。
良いポートフォリオと悪いポートフォリオの3つの違い
ここまで、良い作品例をみてきました。
ではいったい何が良い作品と悪い作品では違うのでしょうか。
伝えたいことを絞る
ポートフォリオを作成することの意義は自分の考えやスキルを人に伝えることにあります。
悪いポートフォリオはただ単に作品が羅列し作品を通して何を考え、伝えたいかが読み取れないものです。

伝えたいことを絞って何を伝えるかを吟味しましょう
数点の作品に一貫して共通する視点や特徴があればそれを主軸に構成することができます。
一貫した思考は自身の個性であり、伝えたいことの要点になってくるのではないでしょうか。
自分の人柄が分かる情報を取り入れる
ポートフォリオは自分を知ってもらうためのツールです。
人に目を通してもらえる機会なのに自分を表現しきれないと勿体無いですよね。
今の自分を形成する元になった
- 習い事
- 部活
- アルバイト
- 趣味
を記載することで面接での会話のタネになるかもしれません。
また「建築学生向けおすすめポートフォリオ5選」で見たようにレイアウトは人柄が垣間見えるものです。
真面目な印象にしたいか、遊び心あるものにしたいか、方針を決めてから作り始めてみてください。
画像と図と文字のバランス
パース表現で作品を語るのか、文字で語るのか。
多くの人は文字は追わないけど画像や図面は見てくれます。
それほど文字で情報を得るより表現で得る方が簡潔に情報が認識しやすいものです。

伝わりにくいポートフォリオでありがちなのは
文字が多すぎて、見た人が読もうと思えないものです。
それよりも作品のメインとなるパースを一枚大きく載せてあげるだけで見た人に大きな印象を残すことができるでしょう。
綴じ方の見栄え
ポートフォリオ制作で意外と悩むのが綴じ方ではないでしょうか。
簡易的なファイルに入れられたポートフォリオも見かけますが、理想はきちんと製本されたものです。
印刷会社に入稿して表紙付き製本まで頼めるサービスがあります。
様々な製本方法がありますが、対応サイズがA4サイズまでの印刷会社もあるので綴じ方を検討してからポートフォリオを作成することをおすすめします。
稀に自作で製本する人がいますが、結果として見にくいと本末転倒なので注意しましょう。
建築学生がポートフォリオを作るべき理由
就職にポートフォリオが役立つ
建築業界での就活にはポートフォリオが必要になります。
会社によって注目している点は異なるようですが、共通しているのは建築学科に在籍している間に真っ当に制作をしてきたかどうかです。
次に会社に求めたいと思える人材かを判断します。
就職希望の会社がある場合は方針や、設計内容などが近しい作品を目立つように構成できると有利になるでしょう。
大学院進学にポートフォリオが役立つ
建築学科の大学院受験にはポートフォリオが必須です。
受験科目に加えてポートフォリオも採点されます。
一般的には受験の事前に研究室訪問をして教授とコンタクトを取る機会を設けます。
その際に作りかけでも良いので必ずポートフォリオを持参するようにしましょう。
初対面の教授に自分を伝えるツールになると共に、より良いポートフォリオにするためのアドバイスを頂けるチャンスです。
ポートフォリオ自信がなくてもまずは作ってみよう
作品数が少なくても一度作っておくことで後に作りやすくなるでしょう。
また、作りながら自分でも気がつかなかった作品の一貫性が見つかったり、作品のお気に入りポイントを再認識できたりします。
その気づきは今後の作品制作に活きてくるかもしれません。
また自分では分かりやすさを意識しているつもりでも、人がどう見るかは分かりません。
尊敬できる人に見てもらい、より良いポートフォリオを目指しましょう。
就活用のポートフォリオについての記事もあるので参考にしてみてください。
