CADを使用する際のパソコン選びの場合、何を重視した方が良いのか悩んでしまいますよね。
価格はもちろん、前提として建築設計のCADのソフトを使った時にスムーズに作業ができるのかどうかが大切です。
そこで、CADを使用できる失敗しないパソコン選びのポイントや必要なスペックを解説し、デスクトップとノートパソコンをそれぞれ紹介します。
建築設計CAD向けと普通のパソコンの違いはグラフィックボード
グラフィックボードとは?
建築設計のCADを使用する際のパソコン選びではグラフィックボードが大切です。
グラフィックボードはビデオカードとも呼ばれ、いわゆる「画像や映像をキレイに表示できるようにするパーツ」です。
ディスプレイの画像の発色数や表示の周波数、解析度などが関係し、データが持つ図や絵の表現をしっかりとディスプレイに移す大切な役割を果たします。
普通のパソコン選びではあまり気にするパーツではありませんが、まずはグラフィックボードの種類を解説しましょう。
グラフィックボードの種類を徹底比較
グラフィックボードには種類があり、パソコンの使用目的ごとに選ぶ必要があります。
もちろん、高価なほど性能が良いものが多いのですが、そこまでの性能は必要ではないので価格を抑えたいという人はしっかりと見比べておきましょう。
メーカーごとにグラフィックボードを販売していますが、その中でもQuadroとGeForce、Radeonのグラフィックボードについて比較します。
Quadro
CADの図面はもちろん、3Dのレンダリングやアニメーションにもオススメできます。
NVIDIAのQuadroシリーズごとに特徴がありますが、CAD使用時にはNVIDIA Quadro P620以上のものを選ぶと良いでしょう。
例)NVIDIA Quadro シリーズ
http://www.elsa-jp.co.jp/cat-products/quadro/
GeForceとRadeon
ゲーム用のグラフィックボードとして使われるのがGeForceであり、アニメーションの再生に使われるのがRadeonですね。
各メーカーによって長所と短所があります。
例)GeForceとRadeonの比較
https://www.dospara.co.jp/5shopping/share.php?contents=vga_def_parts
ということで、CADを扱うパソコンに大切なグラフィックボードはQuadroということですね。
次にQuadroを搭載したデスクトップとノートパソコンのオススメを紹介しましょう。
建築設計CAD向けならQuadro搭載を選べ
「nVidia」から販売されるQuadroシリーズはCADに最適化されたグラフィックボードです。
QuadroはCADの描写をより正確に、そして高速に描写することができ、設計の現場をサポートしてくれます。
CADのソフトウェアメーカー(Adobe、Autodesk、Shade、SolidWorksなど)75社以上から認証を取得しているのがその証拠。
実証テストを重ねてCAD使用時に問題なく、鮮明な線を一つ一つ再現するのがQuadro製品なのです。
例)Quadroの概要とGeForce比較画像など
http://www.elsa-jp.co.jp/html/quadro/contents02.html
建築設計CAD向けおすすめデスクトップPC
SENSE-R039-i5K-QTS [Windows 10 Home]
https://www.pc-koubou.jp/products/detail.php?product_id=674171
グラフィックスにQuadro P620 2GB GDDR5、そしてSSDを搭載していて、10万円以下と手ごろな価格であることからオススメのデスクトップパソコン。
ミドルタワーケースの形状と前の部分をメッシュパネルにすることで中の温度上昇を抑え、CADの使用が長くなった場合でも動作を快適にします。
Quadro P620はCADの図面作成時でも使い勝手が良く、ソフト使用時に消費電力と発熱の調整をしてくれるのもポイント。
また、3Dモデルが滑らかに映し出されて、レンダリングもスムーズといった特徴があります。
例)Quadro P620の概要
https://www.leadtek.com/jp/products/workstation_graphics(2)/NVIDIA_Quadro_P620(10797)/detail
SENSE-S0B6-i5F-QES [Windows 10 Home]
https://www.pc-koubou.jp/products/detail.php?product_id=674127
11万円台のデスクトップパソコンであり、グラフィックスはQuadro P1000 4GB GDDR5、SSD搭載、240GBのストレージ容量を持っています。
そして、本体の幅は約9.6センチとスリムタイプなのもポイント。
煩雑になりがちなデスク周りでもスペースを取らず、高さは33センチあることから隣の席との仕切り代わりにも使えてオススメです。
Quadro P1000はCADの利用はもちろん、3DのCADを使用する際にも使いやすいグラフィックボードです。
その他の特徴は、約10億6433万色の発色により3Dモデルのマテリアル(材質の色や質感)、Photoshop等のイラスト系のソフトを使用時に色を豊かに表すことでしょう。
また、複数画面を使って1つのデスクトップとして扱うことができ、プレゼンテーションでの活用もできますよ。
例)Quadro P1000の概要
http://www.elsa-jp.co.jp/products/products-top/graphicsboard_pro/quadro/midrange_2/quadro_p1000/
(中見出し)
20万円台で高い演算能力と、Quadro P6000を搭載した高性能のデスクトップパソコンです。
冷却機能を強化したことで長時間のCADソフトなどの使用でもスムーズに、そして最大で10コアと256GBを搭載できることからオススメ。
CAD図面だけでなく、複数のソフトを立ち上げて作業する際にはQuadro P6000を搭載したパソコンも検討してみてくださいね。
例)Quadro P6000の概要
http://www.elsa-jp.co.jp/products/products-top/graphicsboard_pro/quadro/ultra_high_end_2/quadro_p6000/
建築設計CAD向けおすすめノートPC
HP ZBook Studio G5 Mobile Workstation
https://jp.ext.hp.com/workstations/zbook_studio_g5/
30万円台のノートパソコンであり15.6インチの画面の大きさとFullHD液晶を採用、Quadro P1000を搭載しているためCADも3D作業も、パースを描くイラスト作業もできてオススメです。
また、持ち運ぶ際にはフル充電で約10時間の利用ができる点や、30分で50%の充電ができる急速充電機能がある点など申し分ないでしょう。
薄さ18.9ミリ、重さは約2.1キロとコンパクトなのでカフェや電車内での使用時にもピッタリ。のぞき見防止画面にできるためセキュリティも安心ですね。
HP ZBook 14u G6 Mobile Workstation
約20万円のノートパソコンであり、薄さ17.9ミリの重さは1.6キロというコンパクトさから持ち運びのしやすさがあります。
AutoCAD、SolidWorksなどのソフトの認定を取得していますのでCADの使用をお手頃な格で求めている方にオススメ。
「HP ZBook Studio G5」より安価ながらも、急速充電と約10時間の利用ができ、14インチの4K UHDディスプレイ搭載なので図面やパースなどを見る際に申し分ありません。
HP ZBook 17 G6 Mobile Workstation
https://jp.ext.hp.com/workstations/zbook17g6/
30万円台と高価ですが、デスクトップ代わりに使っていきたい方にオススメのノートパソコンです。
Quadro RTX™ 5000グラフィックス搭載を搭載し、ゆくゆくは3Dモデルの作成や施工用アニメーション、パースの作成を考えている方でも使えるのが特徴。
17.3インチの画面と128GBメモリを搭載し、33.5ミリの厚さと約3.2キロの重さがあります。
高性能なQUADRO RTX 5000を活かしてVRの作成にも役立ちます。
例)QUADRO RTX 5000の概要
https://www.nvidia.com/ja-jp/design-visualization/quadro/rtx-5000/
建築設計CAD向けパソコンを選ぶ利点
Quadro搭載のパソコンを紹介してきましたが、CADの利用時以外にもメリットがあります。
それは、建築設計ではパースを見ながら「この建築の見栄えはどうか」を確認することも多いので液晶画面の鮮明さはあった方が良いということ。
例えば、都市計画や商業施設の設計において見た目のデザインを考えつつ、それを設計に反映していったり、住宅設計なら内装・インテリアに使用する家具や床の質感を確認する際にメーカーのサイトのデジタルカタログを見たりします。
そうしたCADを使用する以外にも画像や実物の写真を見たりする必要性があることからグラフィックボードの良いパソコンはメリットがあっておすすめですよ。