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建築系大学院生の就活における6つのメリット!有利になる業種も紹介

建築学生

この記事では「建築系大学院生の就活における6つのメリット」について書いてあります。

3月になると、少しずつ春の暖かさを感じる一方、「あること」が本格的に始まったとニュースで流れ、ヒヤヒヤし、温冷感が忙しないことになります。

就活です。

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大学院から建築業界への就職は圧倒的に有利

何事にもメリット・デメリットというものがありますが、それは進学も例外ではありません。

しかし、こと「建築業界への就職」を考えると院卒の方が有利であると様々な場所で言われています。

これには、「学生の時間が長いこと」による理由、「そもそも院卒が前提とされている」などの理由が挙げられます。

つまり院卒でないと得られない武器と、立てないスタートラインがあるということです。

もちろん、大学院は就活のために進むべきものではありません。

研究・学修目的があることが大前提です。

しかし、いずれは皆さん就職するのですから、「就活に有利か・不利か」は無視できないことですよね。

では、その「得られない武器」と「立てないスタートライン」とは具体的にはどのようなものがあるのでしょう?

就活における建築大学院生の6つのメリット

院卒だから得られるメリットは、就活に係ることにおいて2つに分けられます。

1つは、「就活中」に実感できること、もう1つは「会社に入った後」に実感できることです。

今回は前者のメリットを更に4つに、後者を2つに分けて整理・紹介します。

卒業制作(卒業研究)をアピールできる

建築業界で就活を行う際、一度はポートフォリオの提出が求められこともあるでしょう。

就活は(形骸的には)学部4年生の前期、もしくは修士2年生の前期に行われますね。

すると当然、学部卒の就活では授業課題の作品を提出するしかありません。

しかし、大学院生は卒業制作をポートフォリオに含むことができます。

今、「でも、それがメリットになるのは、卒業制作が授業課題より時間をかけて設計する=クオリティが高い設計をポートフォリオにまとめられるからでしょ?日ごろから精いっぱい課題に取り組んでいれば、そこまで大きな違いにはならないのでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。

もちろん、設計そのもののクオリティの話もありますが、授業課題の設計と卒業制作の設計には、もっと大きな違いがあります。

その違いは、課題を「与えられる」か「自分で見つけるか」です。

授業課題では敷地も建築用途も条件が与えられた状態で設計します。

もちろん敷地調査を行い、その土地の課題を探すことでアプローチするでしょうが、卒制と比べてしまえば、課題を”自分で”探したことにはなりません。

卒制は社会問題やその他、自分がアプローチする課題、更にその課題に対する解決策を提案する土地・建築用途を全て自分で決定します。

つまり、授業課題では先生方が行っていた「課題・条件の出題」から自分で行うのです。

今日、指示待ちの人より「課題を自分で見つけ、解決策を見いだせる」人が求められていることは言うまでもありません。そして就活の場でそれをアピールするには適切な武器・道具が必要です。

なぜなら、自分をアピールする時間には限りがあるからです。

その時、自分で課題の発見から解決までを行った「具体的なモノ」があれば有利なのは言うまでもありませんね。

ちなみに、課題の発見・解決まで自分で行うのは卒業研究も同じですから、武器・道具になり得るでしょう。

学部生より作品数が多い

これはポートフォリオの充実度に関することです。

先ほど述べたよう、1年かけて4年間の集大成にしたクオリティの高い卒業制作は、ポートフォリオの華となるでしょう。

これに加え、作品集が多いということはそれだけポートフォリオを密実に作り上げることができるのですから、大学院生は有利と言えます。

特に意匠・計画系の大学院生はコンペに出した機会が学部生より多いはずです。

そこで何か受賞した経験があれば、アピールポイントになりますね。

準備の時間が増える

就活において、準備は大切です。

これは単純に「ESやSPIなどの勉強がどれだけ進められるか」と言ったことだけではなく、「自分が行きたい企業の”適切な”見極めが可能か」という意味でもあります。

建築は様々な分野が複雑に絡み合うことで成り立っている分野です。

そのため、勉強(これは企業研究という意味だけでなく、専門の勉強も含む)をしないと自分が本当にしたい仕事が分かりません。

その点、建築により長い時間を掛けてきた院生は有利であるのです。

また、大学院生ともなると、院試などでポートフォリオを作成した経験がある人も少なくないです。

一方で、学部生は就活で初めて作成する人が多いでしょう。

今までの作品をピックアップしてまとめるだけなのに、かなり大変な作業だったはずです。

これを就活の忙しい時期にゼロから行うか、一度作成したものを叩き台にして追加・修正するかでは労力が全く異なります。

更に、企業ごとに行われる試験でも違いが出るはずです。

建設業界の中には大手企業もいくつかありますが、その企業の中には2級建築士くらいの難易度の専門科目試験を課す所もあります。

院生の場合、院試を通して一度、一通り専門科目の勉強をしています。

また、人気のある大学の大学院入試は出題される問題の難易度が一級建築士と同じくらいと言われることもあります。

授業を履修し期末試験を受け、単位を取っただけの学部生と、入学試験のために一通りの勉強をしたことがある院生と、どちらが有利かは明らかです。

業種の幅が広がる

誰しも、自分の可能性は広がっている方が良いな、と思っているのではないでしょうか。

建築業界では院卒の採用者が圧倒的に多い業種、そもそも研究職のように院卒を前提としている業種もあります。

もちろん、学部卒でも就職可能な業種もありますが、やはり院卒に比べると絞られてしまいます。

(詳しくは後述します。)

初任給から高い

院卒の初任給は、学部卒に比べ高い場合があります。試しに、スーパーゼネコン5社の初任給を調べてみました(表はイニシャルのアルファベット順)。

どの企業も同額で、院卒は学部卒より2万円高い給与でした。

これは額面給与ですから、手取りだとおおよそ1.6万円/月の差になるでしょうか。

つまり、1年間で19万円ほどの差になるということです。

※初任給の表

出世しやすい

これは、院卒の肩書が直接影響しているのか、大学院でスキルアップしたからなのか、そもそも進学する人には真面目で勤勉な人が多いからなのか、どの因子が関係しているのかは分かりませんが、一般的な認識として間違いないのではないでしょうか。

ちなみに、私は某大手組織設計事務所でアルバイトしているのですが、お世話になっている部長さんは院卒でした。

建築大学院生が有利な業種

先ほど、業種の話がありましたね。

今度は建築業界の業種について、クローズアップしていきます

建築系の大学院に進学すると就活が有利になる業種は次の4つです。

  • 組織設計事務所
  • ゼネコン
  • サブコン
  • アトリエ
  • ディベロッパー

組織設計事務所

組織設計事務所とは工事の請負は行わず、設計(時にコンサルのようなことも)のみを請け負っている業種です。

もちろん、現場へ赴くこともありますが、現場管理・施工管理ほどではありません。

就職に関して言えば狭き門であり、そのため院卒が有利と言わざるを得ません。

ちなみに先ほど、私は某大手組織設計事務所でアルバイトをしていると言いましたが、毎年、新入社員として紹介される方の人数が少ない上、ほとんどが高学歴(院卒という意味でもそうですが、東大・京大・東工大、その他同じくらいの難関大学の出身者)な方でした…。

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ゼネコン

設計から施工、研究など、まさに”ゼネラル”に請け負っている業種です。

中堅ならまた話は別ですが、スーパーゼネコンのほとんどの場合、院卒が前提であるかのような採用を行っているとよく耳にします。

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アトリエ

そもそも、意匠系の方の多くが修士課程へ進学します。

そのため、業種の前提条件として院卒がもとめられているとし、ここに分類しました。

ただし、アトリエでは学部卒と修士卒で給与は同じ場合が多いそうです。

ディベロッパー

都市計画に興味のある方の中には、ディベロッパーを目指す方も多いでしょう。

就職は狭き門であるため、「院卒が有利」というより、「学部卒にはハードルが高い・不利」という表現が正しいかもしれません。

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大学院に進まなくても就職できる業種

建築系の大学院に進学せず、大学生でも就職できる業種もあります。

建築業界には院卒の方が有利に就職できる業種があることは否定できません。

しかし、どの業種も学部卒だと就職できないかといえば、そんなことはありません。

  • ハウスメーカー
  • 施工管理

ハウスメーカー

住宅の設計・現場管理などを請け負っている業種ですね。

ハウスメーカーの中には、文系出身者と建築出身者を同様に採用する企業もあります。

そのため、学部生にとっても比較的就職しやすいと言えるでしょう。

ちなみに、私の周りには「生活により密接した住宅を設計したい」と言って、学部卒でハウスメーカーに就職した子が何人もいます。

施工管理

みなさん、OJT(On the Job Training)という言葉を聞いたことはありませんか?

これは、職場で実務を通して従業員を教育するという手法です。

現場の仕事は大学で学ぶ勉強とは異なったことが多く、実務経験が物を言います。

そのため、より若いうちに経験を積める分、学部生でも就職しやすいと言えます

早めの行動で周りの大学院生と差をつけよう!

大学院に進学するか否かは、就活に有利か不利かだけで決められるものではないですし、決めるべきではありません。

他の事情と天秤に掛け、慎重に決断すべきです。

この記事よって、進学によるメリットが少しでも整理され、進学を考えている学部生の適切な進路決定の手助けになればと思います。

また、大学院生は「自分はこれだけ有利なのだから」と胡坐をかいてはいけません。

これは学部生に対して有利なだけであって、他の大学院生も同じく得ている武器です。

他の院生と差をつけるためには、周りより充実した準備が必要ですが、ただやみくもに準備するのでは時間の無駄です。

この記事で整理された強味をヒントに、周りとどこを差別化していくのかを考えてもらえたらと思います。

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

執筆/編集担当
tsurupon

東京の大学院で建築を学び、現在一級建築士資格を取得するために勉強中。
ライティングや動画、写真編集を中心にフリーランスとしても活躍。
学生でもわかりやすい記事で役立つ情報を届けます。

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