建設業界と言われて思い浮かぶのは
- 3K(きつい・汚い・危険)
- 離職率の高さ
だと思います。
特に、きついといわれるのが現場監督です。
実際に2017年に新国立競技場建設現場の監督が自殺する痛ましい事件も起きました。
今回は、そんな現場監督の激務を抜け出す方法について紹介します。
現場監督が辞めたくなるほどつらい理由
平成30年度の建設業の離職率は9.2%(厚生労働省より)、46万人程度が離職しています。
10年前の平成20年の12.5%に比べると減ってはいますが依然として高い状況です。
現場監督が離職する理由はいろいろありますが、下記の3つが大きな理由になります。
- 発注者と下請との関係
- 業務量の多さ
- 休みが少ない
これらの理由をひとつずつ解説していきます。
発注者と下請との関係
建設現場では、以下の2つ関係に大きく分かれます。
- 発注者
- 下請け
発注者、下請けそれぞれの関係性が原因で、離職につながるケースも少なくありません。

ここでは、発注者と下請けの現状を解説していきます。
発注者
建設現場の施工は、公共・民間ともに発注者(施主とも呼ばれる)がいます。
基本的に、施工は発注者の意向に沿って行われます。
公共事業では、問題が発生した際や施工が困難と考えられる場合に発注者と協議して工事を進めていきます。
そこで、関係が崩れるとギスギスした中で進めていかなければならず、かなりつらくなります。
発注者の中には高圧的な方もいるので大変です。
下請
現場監督は、下請への指示や安全管理も仕事の一つになるため、下請けに対して強く言う必要が出てきます。
しかし、何十年も現場で働いていたベテランは、若い現場監督に指示をだされて、イライラする気持ちもあります。
また、監督は現場へ直行直帰になるので、人間関係が狭くなりストレスと溜めやすくなります。
業務量の多さ
現場監督は激務と言われています。
現場監督の主な仕事は下記の通りです。
品質管理 | ・写真管理 ・出来形管理 ・コンクリート試験立会 |
原価管理 | ・材料の購入 ・下請の決定 ・支払い |
工程管理 | ・搬入日の調整 ・施工順の検討 |
安全管理 | ・安全巡視 ・安全協議会出席 ・安全指導 |
発注者対応 | |
近隣住民対応 | |
位置出し |
これだけの業務をこなさなければなりません。
大規模の工事であればチームで行いますが、小規模の工事であれば、これらを1人で行うこともあります。
日々の業務をこなすだけで、いっぱいになっているところに、事故があれば事故処理や、中間検査・完成検査が近い時期では準備に追われます。
休みが少ない
建設業界は基本的に日曜日のみ休みになります。
つまり、週休1日です。
ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始の休みはあるとはいえ、工程が遅れていれば作業日になることもあります。
長期休暇中は現場が休みであっても
- 関係者以外が侵入していないか(学校がない時期なので子供が現場に侵入しやすいため)
- 使用機械が盗難に遭っていないか
- 現場に変化はないかなどを確認するため
安全巡視を行わなければなりません。
そのため、監督は必然的に現場に行かなくてはならないのです。
今回挙げた3つの理由は、特に新入社員や経験の浅い若手に当てはまります。
- 発注者や下請けとの関係がうまくいかないこと
- 日々の業務についていけなくなること
- 立場が弱いため安全巡視の役割になること
が多く、耐えられなくなりやすいです。
現場監督が地獄すぎてつらいときに出来る3つのこと
そんな激務の中でもなんとかやっていかなくてはいけないときもあります。
ここでは、その地獄を切り抜ける方法を紹介します。
頼れる人・気軽に相談できる人をつくる(考え込まない)
- 人間関係で悩んでいるのであれば、間に入ってもらう。
- 日々の業務で困っているのなら、相談する・分担してもらう。
- 休みが取れないなら、交代を頼む。
- 分からないことがあるなら、わかる人に聞く。
現場にいい人がいなければ、社内の人でもいいですし同期でもいいです。
とにかく、考え込まず相談したり聞いたりしまくりましょう。
任せられる書類は任せる
業務量が多く追いつかないときは、他の人に任せることも大切です。
現場を知らなければできない仕事以外、例えば、単純な書類のまとめなどは、指示を出してやってもらいましょう。
社内でOKが出れば、オンラインで仕事を依頼できるサービス「クラウドソーシング」を利用してもいいですね。
クラウドソーシングの詳細を見てみる>>>
ストレスを発散する
現場監督は現場へ直行直帰が多く、狭い人間関係の中で長い期間仕事をしなくてなりません。
そのため、ストレスが溜まりやすくイライラすることもあります。
一緒にやっている人が合わない人ならなおさらですね。
そのため、ストレス発散してリフレッシュする必要があります。
現場監督でうつ病になるくらいなら転職しよう
現場監督の仕事がきつすぎて辞めたいと思ったらすぐに行動に起こしましょう。
やめる決断を早めに
会社をやめるというのは、勇気がいることですよね。
次の仕事が決まっていないので辞めにくい、今やめたら迷惑がかかるなどの理由があります。
ただ、やめるなら早めに決断したほうが良いです。
その方が、転職先を早めに探すこともできますし、つらい状況から早く抜け出すことができます。
建設業が好きなら同じ業種へ
もし、やめる理由が人間関係や社内の雰囲気などであれば、同じ業種の違う会社に勤めることもおすすめできます。
建設会社は建設業許可数で46万社ほどあります。
各社それぞれの雰囲気や特徴があるので、自分に合った会社を探すもの良いです。
下請はいろいろな会社と取引があるので、どの会社が良かったかなどリサーチしてみるといい情報を貰えます。
違う職種への転職もあり
建設業界以外にも道はたくさんあります。
今の時代は、ネットが普及しているため、さまざまな業界を知る機会が増えています。
初めての業界に足を踏み入れるのは勇気がいりますが、どこで現場監督時代の経験が生きるかわかりません。
激務すぎる現場監督から転職した体験談紹介
現場監督から公務員に転職した体験談

新卒で建設会社に入社し、8年間現場監督として業務につき施工管理技士1級を取得し活躍していました。
しかし、現場監督は仕事場が現場ごとに変わり生活が安定しづらいことや日々の業務が多いことから、転勤などが少ない公務員に転職することを考えたそうです。
最近では、中途採用を行う県や市町村も増えています。
その背景には、専門分野の人材不足があります。
発注者となる公的機関は、設計業者や施工業者と関わる仕事が多く、専門知識を必要としているので、経験者は受かりやすいです。

中途採用の年齢制限は地方自治体によって様々ですが、30歳くらいまでの場所が多い様です。受ける自治体のHPで確認をしましょう。
公務員は公務員試験に合格する必要があるので、仕事と勉強を両立する必要があり、専門分野の勉強は不要ですが一般試験もありますので、現場が終わった後に勉強をしていました。
また、同じく公務員を目指した方は会社をやめて公務員試験の勉強に集中する方法を取った方もいます。
現場監督が向いてなくても他の道があるはず
現場監督は、
- 搬入業者や下請業者と交渉するときに交渉力
- 工程を管理することでスケジュール管理能力
- 発注者の質問に対して論理的に回答する思考力
と多くの力をつけることができるので、その他の職種にも必ず活きます。
やめたいと思ったら、転職サイトに登録して求人を探したり、求人エージェントを頼ってオファーを待ったりしましょう。