この記事ではアトリエ設計事務所と組織設計事務所の違いについて書いています。
アトリエ設計事務所と組織設計事務所。
設計をやりたいと思って就職先を調べると出てくるメインの事務所たちになります。
アトリエ系設計事務と組織設計事務所の違いはなんとなく知っている学生さんも

事務所ってどうやって選べばいいの?

同じような感じだからどうやって決めればいいか難しいよ
という方も多いと思います。
実際に大学や研究室では選ぶ際の決定的な決め手は誰も教えてくれません。
今回は組織設計事務所もアトリエも就職活動を行なった私の実体験も踏まえながら、
社会人目線で絶対に見ておくべき3つのポイントをお伝えします!
作品」を作るアトリエと「商品」を作る組織
よく言われるのは
- 「作品」を作るアトリエ
- 「商品」を作る組織
という言葉です。
実際に就職活動をする中で、感じたことを踏まえながら説明して行きたいとおもいます。
アトリエ系設計事務所
アトリエ系設計事務所とは、建築家が主催する設計事務所のことを言います。
一部の大規模化した有名アトリエを除けば所員が20人以下の規模の事務所のことが多いです。
アトリエ事務所の特徴としては
- 事務所のトップである建築家の個性の出る作品が多い
- 少人数で設計業務を行う
独自の思想や、それを反映したデザイン性を持っており
それゆえに作品性の強い建築を作ることが多いです。
まずはデザイン力を磨きたい人は、アトリエ系設計事務所への就職がオススメです。
組織設計事務所
組織設計事務所は、発注者の事業パートナーとなり建築設計の専門家として業務に携わります。発注者からの要望を形にするような、デザインとはあまり関係の無い仕事も少なくありません。
アトリエ系設計事務所との大きな違いとして、社内に構造設計部や設備設計部、積算部などを持っており、各部署から専門的な技術者を集結したチームを作り、ハイクオリティな商品としての建築を作り上げることを得意とします。
まず技術力を身に付けたい人は、組織設計事務所への就職がオススメです。
将来独立を考えているならアトリエ設計事務所
設計をするにあたって、最終的な目標地点をどこに設定するかは大事です。
- 独立して自分の事務所くを設立する
- 重役になっていろいろ仕事を回す立場になる
- いつどうなってもいいように転職できる幅を広げたい
など様々な目標地点があると思います。
目標地点によって就職した後に有利になったりすることがあります。
独立を目指すならアトリエ系事務所
いつかは建築家として自分の事務所を持ちたい!という目標がある人は、是非アトリエ系設計事務所にいきましょう。
アトリエ設計事務所出身の建築家のメリットはたくさんあります。
- 建築家の事務所で働くことで、独立後のノウハウを学べる
- 少人数で働くアトリエ系の事務所では成長速度が速い
- 若いうちに一通りの仕事を経験できる
- 独立した際に、○○事務所出身、とプロフィールに書ける
独立後の自分を想像しながら働くことで将来のビジョンが立てやすいのです。
独立前の経験としてアトリエ系設計事務所で働くとよいでしょう。
転職も安心な組織設計事務所
組織設計事務所から建築家への独立は厳しいですが、実は設計を生かした転職先はたくさんあります。
組織設計事務所で設計を続けていると、何かしらの用途のエキスパートになれます。
その経験を生かしてキャリアアップすることも可能です。
例えば、公共案件をたくさんこなした人ならば発注者として公務員に。
マンション設計の経験が豊富ならばマンションディベロッパーに。
商業施設をこなしてきたならば内装の設計施工を手がけるディスプレイ会社などが挙げられます。
もちろん転職をせずに設計を続ける人がほとんどですが、ビジネスマンとして設計以外の武器が身につくという点は、とても魅力的ではないでしょうか。
給料が少ないのはどこまで耐えられない人は組織設計事務所
就活をする上で重要視するポイントの一つに給料があります。
実際にアトリエと組織設計ではかなり大きな差が生まれますので注意しましょう。
一般的にアトリエでは奨学金などの返済は厳しいという人が多いです。
自分の経済状況などをみた上で決断しましょう。
若いうちは修行期間!アトリエ系設計事務所
噂程度に聞くアトリエの「薄給」はどの程度なのか?
これは、事務所によるところが大きいので、噂に惑わされず必ず事務所に直接確認してみてください。
最低賃金で設定されていることもあれば、人並みに給与がもらえるアトリエもあるそうです。是非探してみてください。
どちらにせよ、アトリエ系設計事務所に就職して若いうちから高給取りになれることはほぼ無いので、勉強期間だと思ってある程度は諦めるしかないですね。
入社1年目から平均越え!組織設計事務所
組織設計事務所の給料は全国平均以上のことがほとんどです。
ボーナスも2ヶ月〜6ヶ月程度出るので、ボーナスを使って海外旅行をしたり、車を買ってローンを組んだりもできるレベルです。
奨学金の返済や、就職後一人暮らしが絶対条件になる人は、組織設計事務所も視野に入れるとよいでしょう。
アトリエか組織かは自分の優先順位と照らし合わせて選ぼう
ここまで以下のポイントについて紹介してきました。
- 「作品」を作るアトリエと「商品」を作る組織
- デザイン力と技術力どちらに磨きをかけたいか
- 将来は独立を目指すか、永久就職もしくは他企業への転職を目指すか
- 給料をどれだけ重視するか
これらを整理して考えることである程度進路が絞れるようになると思います。

自分の目指す方向性が見えたらあとはその条件にあう会社を探しましょう。
加えて、
- 自分のやりたいことはなにか
- 設計する規模はどの程度がいいか(住宅/公共施設/高層ビルなど)
ということも考えると就活の時にはっきりと志望理由などが言えるようになります。
就活は人生において大切な分岐点です。
自分のやりたいことを見つけていい結果がもらえるように
- インターン
- ポートフォリオ
- 自己分析
など早めに動くことが成功の鍵です。


